個人加盟労働組合ユニオン千葉




解雇予告(歯科衛生士)

労働相談内容

夏の暑さも過ぎた頃30代の女性が労働相談に訪れました。
私は独立行政法人病院機構○○○○センターの非常勤職員歯科衛生士です。
職場長の歯科医師より解雇予告を受けたので相談に来ました。
職場の先輩O氏との相性が悪いので来月一杯で辞めて下さいとの理由でした。
数日してから解雇に納得いかないので、職場長に解雇理由書の交付を依頼しました。
職場長は「辞める上で、かき回さず穏便に辞めて欲しい。
こちらからは解雇理由書を交付しない。
前任者も”自己都合”で退職願いを提出したので、同じように自己都合で退職願いを提出すればいいのです」と言うのです。
;1週間後の朝歯科衛生士O氏から「明日から来なくていい、足手まといなのよ」と言われました。
私もO氏も前任者のBさんも千葉○○○○短期大学の歯科衛生士科の卒業生です。
その日PM2時30 分頃職場長がスタッフを招集しました。
歯科医師3名、歯科衛生士2名です。
歯科衛生士O氏が発言しました。
今後就職する上で不利になってもいいのですか。
経歴に傷がついてもいいのですか。
病院側が継続を希望していないのがわからないのですか。
医療事故を起こしかねないから先生は辞めてくれと言っているのです。
周りにアンテナがはれないのですね。
○○短期大学に泥を塗っています。
歯科医師T氏の発言
解雇の理由はなんですかと質問する前にどうして自分で判らないのですか。
N歯科医師の発言
コミニュケーション不足、努力不足ですよ、同じミスをしてはいけません。
私Hの発言
私は自分では辞めません、退職願いは書きません、解雇通知を発行して下さい。
その時は話を聞いただけでユニオン千葉には加入しませんでした。
数日して再度来所、組合加入しすぐ団体交渉申し入れしました。
協議事項は当該に対する一方的解雇通告(不当解雇)と慰謝料支払いでした。
2週間後第1回目の団体交渉
病院側は団体交渉という言葉を嫌い窓口予備交渉であるという言葉に執着しました。
本日の参加者は交渉の窓口であり、決定権は無いと言うのです。
特労法に基ずく団体交渉の前に窓口が話しを聞く事になっています。
独立行政法人は国家公務員です。
非常勤職員であっても国家公務員法は適用されています。
特労法が適用され団体交渉の内容も制限されています。
いろいろと病院側は並べ立てました。
出席者は事務部長、管理課長、顧問弁護士の3名。
ユニオン千葉も当該、書記長代理、執行委員長の3名。
病院側の発言は国家公務員法には解雇予告というのはありません。
職場長は任免権者ではないのです。
権限のないものが発言したに過ぎません。
退職という言葉が出たという事ですが職場長が注意をしたので解雇の予告をしたのではありません。
当独立法人としては解雇予告はしておりません。
通常の団体交渉と違い真正面から誠意を持って話合うという事ではありませんでした。
屁理屈としか思えない紳士的ではありながら慇懃無礼な発言が続きました。
月に2回の団体交渉が2ヶ月続きました。
民間であれば月に1回が一般的ですが交渉日を遅れさす事はありませんでした。
表面的には十分に誠意をもって交渉に応じたのです。
1回目と3回目の団体交渉の後○○○○センターから院長名の勤務命令書が当該あてに届きました。
退職の意思がないのであれば出勤する事を命じますとの文書でした。
当該にとって歯科全員で退職を強要したところに勤務する事は出来ませんでした。
4回目の団体交渉の後懲戒処分書が届きました。
懲戒処分書の4日後読売新聞京葉版に記事が掲載されました。
非常勤職員無断欠勤で戒告
国立病院機構○○○○センターは無断欠勤したとして非常勤職員を国家公務員法違反で戒告処分にした事を明らかにした。職員が無断欠勤したのは○月○日から○日迄、その後も出勤しておらずその理由はわからないとしている。
5回目の団体交渉は主張が平行線をたどるとの事で団体交渉を拒否して来ました。
ユニオン千葉は中央労働委員会に団交継続のあっせんを申請しました。
膨大な資料の提出、東京労働委員会会館にて両者出席であっせんが行われました。
しかし労使の隔たりが大きくあっせんを継続する事が困難である、としてあっせんの打ち切りを連絡して来ました。
1ヶ月後再度勤務命令書が届きました。
契約期間の終了する期日平成○○年3月31日人事通告書が届きました。
○○○○、平成○○年3月31日限り退職した。
これだけが通告書に書いていました。
当該もこれ以上の闘いは望んでいませんでした。
こうやって長い労働争議が終了したかに見えたのです。
数日して当該より電話がありました。
歯科衛生士のO氏が退職したそうです、電話の声が妙に弾んでいました。
お礼に伺わなければならないのですが就職運動中ですので伺えません。
どうもお世話になりました、本当に有難う御座いました。
本当にうれしそうな声でした。
ふとその時思ったのです。
本当の狙いは歯科衛生士O氏に対する報復では無かったのか?
もしそれが狙いだったらユニオン千葉は間違いを犯した事になるのです。
労働者を救う予定が労働者を失業させてしまったのです。
後味の悪い労働争議でした。
しかし国立病院機構○○○○センターの行動は何だったろうか。
自らの組織を守る為にだけ事務的に、しかも法的に問題が発生する事を避ける為にだけに動いていたのです。
経済的効率も人間性も関係なく運営されている組織に腹の底から不快感を感じました。

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